2008年7月31日木曜日

音メモ

ビデオαより抜粋。 著:山本 健司

実際「よい音」という言葉ほど、抽象的で解釈に困る言い方は、ほかにないかもしれない。
というのも、「よい音」というと、もともと個人の感受性に基づいていて、概して共通普遍的な部分はナカナカ理解されず、どちらかといえば個人の都合に優先された利害的ニュアンスが色濃く、きわめて主観的、趣向的に好ましい状態を指しているといえよう。客観的に物理特性に対する忠実な再現性や社会的影響力に観点をおいて善悪に基づいている場合も稀にあるが、そこに共有性を見出すことが簡単なときと困難なときというように二極化してしまう状況が発生する事態も否定できない。また、一方で現状の実情においても、個々人の価値判断が多様化し、かならずしも聴感的物理特性に則った忠実な再現力には価値を見出すとは限らない傾向性もある。総合的に「よい音」というのは、多種多様な状況に対応する都合上の問題である可能性が高く、明確な印象として「よい音だった!」という意識的状況にめぐり合うことも稀である場合が多い、と言えるようだ。



なるほど。そういう側面も多々あります。

0 件のコメント:

コメントを投稿