2008年9月27日土曜日

新しい機械

仕事で使う機械のレビューを記録してみる。

先日、とある物件でヤマハのM7CL-48を使った。PAでデジ卓を使うのは何気に初めてだったりします。
アナログ卓でするという選択肢もあったんですが、出場バンドが結構多く、編成楽器も多かったため入力数が多いこと、それとセッティング~サウンドチェックの時間がタイトだったというのが最大の要因かな、、。やっぱりアウトボードを繋ぎまくるのは時間がかかるしチェックも大変ですからね。
普段なら、卓席がアウトボードの山済みで、まるで何かの実験システムのようになるところが、デジ卓使うとミキサーと少しの再生機(CD,MD)だけですむところがなんともスッキリしていいですね。

でも正直、デジ卓は不安でした。触ったことがあるやつならまだしも、一回もいじったことのない機種だったので果たして、ぶっつけ本番でちゃんと使えるんだろうかと、、、。もちろん事前にwebなどで調べて説明書もダウンロードして勉強はしましたよ。

本番当日、結線はあっさり終了。ほんとラクで良いですね~。でもそれからが大変。
デジ卓ってinput・outputが自由にルーティングできるのも良いところですが、逆を言えばそれをすべて設定してやらないといけない。 このフェーダーはリバーブのリターンでこれは送りとか、ここのアウトは表のスピーカーでここはフットモニターといった具合に、一個一個液晶画面を見ながら設定しなければ思ったように音が出ない。アナログなら、マスターアウトはこの端子、AUXはココ。と決まっているのでそこを使うしかないけど、制限されているだけ迷わずにすみます。
今回は、そのルーティングに一番時間がかかったのかな。

ヤマハのwebページから専用ソフトをダウンロードして、自分のパソコンでも設定できるし、一応していったんですがなぜかそのファイルを読み込んでくれませんでした。どうもファームウェアのバージョンが違うかったみたいです。う~む。融通がきかないやつめ、、、。

このM7はホームボタンがないので、どこを押せばどの画面になるかの慣れが少し必要に思えました。とっさにエフェクターの画面に行きたい時や、モニターの送りレベルを変えたいときなんか、結構混乱したりした。
逆に慣れるとホームボタンがないほうが良かったりするんですよね。ホームに戻るという動作を省けるので、結局操作が速くなる。でも最初は混乱気味、、、。フットだけ送っているつもりでもドラムモニターからも音が出てたり、サイドからリバーブ成分だけ出てたり、一瞬頭が真っ白になる事も幾度か、、、。
それでも何とかサウンドチェックも出来て、本番に間にあわすことが出来ました。もう少し余裕があると、もっと突っ込めたかもしれませんが、、、。
本番のオペレートで便利だったのは、やっぱりシーンメモリーですね。バンドごとにリハでメモリーしておいて、そのバンドの時はメモリーを呼び出せば、すぐにそのセッティングが出てくる。アナログでは絶対無理な芸当です。おかげでチャンネルコンプやEQの設定も各バンドごとに変えることができた。
シーンメモリーを切り替えるときも、音が途切れないのが良いです。MCがしゃべってる間でも気兼ねなく変更できますね。

出音の印象は、すごくスッキリした音。SNはあまり良くないが解像度が高い!それがかえってバンド物だとなかなかまとまってくれない、、。特にドラムのタム、スネア、シンバルがバラバラに聞こえる感じ。パンを全てセンターにしても、個々の音がはっきり分離して聞こえる。
マイクプリの特性もあるんでしょうが、どちらかというとアナログに比べて卓内部での位相がずれないのが要因なのかもしれない。これはアナログとは少し感覚が違いますね。
もしかしたらDCAでグルーピングして、アナログのコンプをインサートしてやったりしたらいい音になりそう。すこし位相を濁してやってグラデーションをかけてやる感じですかね。残念ながら今回はそんな余裕はありませんでしたが、、、。

アナログってやっぱりいろいろ濁っているんですね。歪むし。それがいいところでもあるんですよね。
まぁ、慣れると便利です。デジタル。
賛否両論あるだろうけど、要は機械の特性を知っていてそれなりの使い方をすればやっぱりデジタルのほうが可能性がある感じがしたな。
終わる頃になってようやくM7に慣れてきましたが、またしばらく使わないと忘れるんだろうなぁ、、。




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